『ほんの少しの勇気から。ひとりで抱え込まず、手放したもの』

こんにちは。
心理カウンセラー 関 香澄です。

こちらをご覧くださり、ありがとうございます。

今回は、娘の実話を交えながら、私自身が経験してきたことをお話ししたいと思います。

私の過去のブログやプロフィールを見てくださっている方はご存知かもしれませんが、

私の娘はADHD(注意欠如・多動症)に加え、高校生のときに「統合失調症」という脳の病気を発症しました。

この病気を通して、私は親としてどう娘と向き合っていくのか、何が本当の幸せなのだろうかと、気が遠くなるほど悩み、考え続けてきました。

今回は、そんな親子の歩みを通して、
今ひとりで悩みを抱え込んでいるあなたに、伝えたいことがあります。

部屋から聞こえる、見えない誰かとの話し声

娘の様子に異変を感じ始めたのは、高校3年生のときでした。

もともとコミュニケーションが苦手で、人嫌いではないものの、「会話が長くなると脳が疲れる感じがする」と口にすることもありました。空気を読むことが苦手で、周囲に誤解をされてしまうことも多かったように思えます。

7その変化がはっきりと表れたのは、娘が徐々に人を寄せ付けなくなり、一人の世界に深く入り込んでいくようになってからでした。

いつしか、部屋の前を通ると、娘しかいないはずの部屋から話し声が聞こえてくるようになったのです。

「誰か来ているのかな」と思い、ノックをして部屋に入ってみると、勝手に入ってこないでと言わんばかりの強い拒絶。私はいたたまれず、すぐに部屋を出ました。

どうしても気になり、カーテンの隙間からそっと中を覗くと――。
娘は壁に向かって、いかにもそこに誰かがいるかのように、見えない相手と楽しそうにお話をしていたのです。

目にした光景の衝撃に、私はどうしてもその理由を娘に尋ねることができませんでした。

きっとあの時の娘には、私には見えない誰かが見えていて、聞こえない誰かの声が聞こえていたのだと思います。


統合失調症の主な症状である「幻覚」や「幻聴」が、まさに始まっていたのだと思います。

その少し前から娘はとてもイライラしていました。「大学受験を控えてピリピリしているのかな」と思いながら様子を見ていましたが、娘の攻撃的な態度や言動はどんどんエスカレートしていきました。

最終的には、家族ですら近寄ることができなくなるほどでした。
「病院に行ってみない?」という一言すら、とても口に出せる空気ではなかったのです。

母親としての限界、そして罪悪感の狭間で

この経験は、私に「親とはどうあるべきなのか」を深く考えさせるきっかけとなりました。

自分なりに、母親としてできる限りのことをしてきたつもりでした。

それでも、自分の力だけでは、どうにもならない現実があったのです。

娘を何とかしてあげたい。
母親なのだから、私が頑張らなければいけない。

そう思って、できる限りのことをしてきました。
娘を大切に思っているのに、思うようにいかない。

その現実が、私には本当につらかったのです。

もっと頑張れば何とかなるのではないか。
それでも、もう自分だけでは難しいのではないか。

そんな思いの間で、何度も悩みました。

だからこそ私は、ひとりで抱え続けることだけが、娘を守る方法ではないのだと気づいていきました。

親だからといって、子どもの人生のすべてを解決できるわけではない。

どれだけ心配し、愛情を注いでも、娘の人生を最後まで私ひとりで支え続けられるわけではない。

そんな現実を突きつけられたように感じました。

親だからこそ、何とかしなければならない。
親だからこそ、自分が頑張らなければいけないと思ってしまう。

一方で、親子だからこそ感情がぶつかり、
思うようにいかないこともありました。

「私がもっと何かできたのではないか」
「母親なのに、これで本当にいいのだろうか」

そんな思いが何度も頭をよぎりました。

娘を思う気持ちがあるのに、自分の力だけではどうにもできない。

そんな現実を前に、何度も悩み、泣き、苦しみ、立ち止まってしまいました。

一人で抱え込まないで。助けを求めることは「愛」の選択

悩み、苦しみ抜いた末に、私は一つの大きな決断をしました。

娘のこれからの長い人生を考えたとき、
私ひとりの力で抱え続けるのではなく、
専門の支援機関や行政の力を借りて、
これからの娘の人生を支えてもらう道を選んだのです。

「親なのに、手を引いてしまっていいのだろうか」

そんなふうに、自分を責めたことも何度もありました。

けれど、娘への愛情がなくなったわけではありません。

親であっても、できることには限界があります。

むしろ、娘のこれからの人生を考えたからこそ、私ひとりで抱え込むのではなく、
周囲の力を借りることが必要なのだと思うようになりました。

そして、これは、病気や障害を抱えるご家族だけのお話ではないと私は思っています。

子育て、介護、仕事、人間関係。


「私が頑張らなきゃ」
「私が何とかしなくちゃ」


そんな思いから、一人で重い荷物を抱えている方もいるのではないでしょうか。

大切な人のために頑張ることは、決して悪いことではありません。

でも、あなた自身が苦しみ続けなければならないわけでもないのです。

ひとりで苦しんで抱え込まないでください。

誰かに助けを求めることは、決して無責任でも、恥ずかしいことでもありません。

手放したからこそ、見えてきた未来があります。

誰かの力を借りることも、自分や大切な人の未来を守るための選択なのだと思います。

今、ひとりで悩み、苦しみの悪循環から抜け出せずにいるあなたへ。

どうか、すべてを自分ひとりで背負わないでください。

あなたの気持ちを聴いてくれる人や、力になってくれる専門の相談機関があるかもしれません。

ほんの少し、誰かに頼ってみることから始めてみませんか。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

ツールバーへスキップ